概要
熊本市西区にある「麩屋氏助(ふやうじすけ)」さん。現在、家族3人で経営されています。最寄りの上熊本駅からは、車でおよそ5分。住宅街にひっそりと佇むこじんまりとした古民家がこちらのお店です。い草の香りが漂う畳敷きのお部屋でお料理をいただきます。

麩屋氏助の店内
お客様の中には、2~3時間滞在される方もいるほど、実家に帰ってきたかのように落ち着ける店内は、あたりが鮮やかな緑に囲まれており、とても居心地の良い空間でした。お店の方は、来られるお客さんには「日常の慌ただしさを忘れてゆっくりと過ごして欲しい」と仰っていました。住所 | 熊本県熊本市西区花園7-76-33 |
電話番号 | 096-328-6188 |
営業時間 | 11:30~14:30 18:00~ |
店休日 | 日曜日 |
座席数 | テーブル席のみ 5台 |
姉妹店 | 麩屋氏助 子飼店 |
その他 | 18:00以降は完全予約制 |
ランチ情報
生麩料理のメニューは全部で3コースです。
- 小梅御膳 全8品 1,800円
豆腐カツがメインでとてもヘルシーな御膳です。 - わび助御膳 全11品 2,600円
麩のお刺身・季節の季節の野菜を使ったバラエティ豊かな御膳です。

真ん中に見えるのは「麩の刺身」なんです!
- 桜御膳 全13品のコース料理 3,800円
はこび御膳です。前菜を始め季節の細工生麩を使い、麩のいろいろな種類をゆっくり楽しんでいただけます。
写真とともに、お料理を紹介します。

ごま豆腐(左)と白和え(右)
ごま豆腐には、ショウガが添えられており、お醤油を少し垂らしていただきます。私は、甘いごま豆腐を想像していましたが、薬味の効いた「大人のごま豆腐」という感じでした。
みょうがとお麩という絶妙な食感。
アボカドが添えられたこちらの御品は、みょうがとイカを見立てて作られたお麩です。みょうがのシャキシャキとした食感、そして、噛みごたえがありながらも柔らかな口当たりのお麩。絶妙な組み合わせでした。
天ぷらは抹茶塩でいただきます!
カボチャやオクラ、ズッキーニなどの夏野菜がてんこ盛りです。お麩の天ぷらは、パリパリとした食感でした。抹茶塩でいただきます。
がんもどきとお麩
こちらは、鞠の形をしたお麩です。赤色の部分もお麩を細く伸ばして模様をつけているそうです。日本ならではの繊細な柄ですね。程よく弾力のある食感でした。
笹巻麩。中には甘いあんこが入っています。
こちらは、笹巻麩です。笹の葉をめくると、ほんのり甘いあんこが、やわらかなもち麩で包まれています。ディナー情報
ディナーは、18時~ですが完全予約制です。
おすすめポイント

野菜の風味がほんのり香ります。
麩と聞くとなにを思い浮かべますか?私は、お麩の入ったお吸い物を思い浮かべるのですが・・今回、 麩屋氏助 さんでいただいたお麩は、形も色も食感もさまざまで、いままでのお麩の概念を覆されました。こちらの田楽は、一番左にあるものが南瓜、次にあるのがトマトから色を着けたものです。ほんのりとした野菜の風味が感じられました。甘い味噌とゴマの風味が口いっぱいに広がります。
麩のお刺身・・食べたことありますか?
何度も練って作られたお麩は、口に入れると、とても弾力がありました。お刺身は、特に噛みごたえがあり、もっちりとした独特の食感でした。お麩は、そもそも何で出来ているのかご存知ない方も多いと思われます。小麦粉を水に浮かべて、30分以上、何度も練って作られるそうで、完成までにおよそ3時間かかるそうです。結構力のいる作業です。繊細な麩の味には、女性のパワーが秘められていました。
その日の気温や、仕入れた小麦粉によって、練る作業の時間や仕方を手加減する必要があるそうです。お麩と向き合うときには、人間の肌感覚が必要とされます。そこが、お麩づくりの楽しさでもあるそうです。

力強さが感じられます
妹さんは、墨を使った作品を作られています。店内にも1メートルほどはある大きな額縁に力強い墨の作品がありました。お店に行った際には、是非ご覧くださいね。こちらは、麸で作ったラスクということで「ラスフ」という商品です。サクサクとした軽い食感が特徴です。麸で作られたお菓子は、とても珍しいものですので、お土産にもぴったりですね。
奥の椅子は可動式です。
麩屋氏助さんには、ご年配の方がいらっしゃることも多いそうです。車椅子の方でもお料理をお楽しみいただけるよう配慮されています。事前に連絡があれば、玄関にスロープを用意できる、とのことでしたので、車椅子の方がいらっしゃる際には、お店の方へご相談されてください。まとめ

麩屋氏助(お母さん・お姉さん・妹さん)
現在、3人で営まれている麩屋氏助さん。もともとは、上通りで営まれていたそうですが、ご家族の都合で移転をやむを得ない状況となり、何度か移転を繰り返されたそうです。時には、開店間際で開業を取りやめたこともあったそうです。しかし、お客さんの為にも、とすぐに新店舗の準備に取り掛かり、出会ったのが今の店舗だそうです。歴史の長い麩屋氏助さん。戦時中、小麦粉が手に入らない時期には、豆腐屋さんとして麩屋氏助の命を繋いできたそうです。そのため、なかには麩屋氏助さんを「豆腐屋さん」だと思われているお客さんもいらっしゃるそうです。長い歴史の中で、店の命を繋ぐために試行錯誤されてきた麩屋氏助さん。一度来たお客さんを魅了する素敵なお店です。

なんとも賑やかな玄関口
こちらは、玄関に飾られていた置物です。ほとんどお客さんのお土産なんだそうです。リピーターさんのなかには、相撲の軍事さんもいらっしゃるとのことで、九州場所があると必ず番付表が送られてくるのだとか。お客さんとのあたたかな繋がりも感じられるお店でした。また来たくなる理由は、一度来れば分かります。アクセスの難しさはありますが、それでもわざわざ来たくなるような料理の美味しさ、そして、趣のある佇まい。日常の喧騒に疲れたとき、そっと行きたい場所になるはずです。
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