概要
今回お話を伺ったのは、八代の鍛冶屋、盛髙経博さんです。盛髙鍛冶刃物は、700年も続いている歴史ある刀鍛冶さんで、現在26代目。幕末より、“刀を生業にして、刀だけにこだわるのではなく同じ技術を使って世の中の役に立ちなさい”という家訓のもと、包丁やナイフを中心に販売なさっています。主に、店頭販売、ネット販売、百貨店での販売を行なっているそうです。
また、鍛冶場の見学もできます。前もって連絡をすれば、見たい工程を見せていただけるそうなので、見学の際は予め連絡するのがおすすめです。
日曜日は工場が閉まっているそうなのでご注意ください。
店名 | 盛髙鍛冶刃物 |
住所 | 熊本県八代市宮地町434 |
電話番号 | 0965-32-4643 |
営業時間 | 10時-17時 |
盛髙鍛冶刃物さんが作る刃物の特徴
盛髙さんが作る刃物は、何と言っても抜群の切れ味が特徴的です。青紙スーパーという最高峰の鋼を用いて作っている、こだわりの切れ味です。この青紙スーパーを扱うのにも、難しい技術が必要だそう。盛髙さんが作る刃物には、歴代受け継がれてきた、職人技と、手間がかかっているのです。
歴史的にも、2代前の職人さんは戦時中、短刀工場のトップをまかされていたり、真田幸村の子孫のところから出て来た刀は9代目の職人さんが作った刀だったりと、昔から切れ味や刀の質に信頼のある刀鍛冶さんだったことが伺えます。
その、“よく切れる”刃物を求めて、海外からも、月に少なくても5,6名ほど、直接店まで買いに来られるそうです。
海外販売への挑戦
盛髙さんが、刃物の海外販売を始めたのは約10年前。百貨店に出店していたところ、海外の方が購入されることも多々あり、可能性を感じたことがきっかけだそうです。また、海外販売を勧めるアプローチがあり、背中を押されたそう。
それ以来、鍛冶屋において直接海外で取引するという前例のない中、海外向けのネット販売を開始されました。
口コミから世界へ
海外への販売を始めてから、徐々に評判が口コミで広まり、今や包丁のおよそ4割もを海外、約60ヶ国の方が購入されています。現在は、ネットだけでなく、欧米を中心にディーラーさんがまとまった数を買い付けられます。1年先まで予約で埋まっているそうで、 盛髙さんの刃物がどれだけ人気かがわかりますね!
世界で認められた包丁
なんと、盛髙鍛冶刃物さんの包丁は、世界最大の経済新聞、ウォール・ストリート・ジャーナルの、世界の包丁ベスト5に選ばれたそう!
世界の包丁ベスト5!!すごい!
熊本に、このような長い歴史がある中、世界に進出している企業があるとは驚きです!
信頼を得る秘訣とは
盛髙鍛冶刃物さんで一番売れる人気商品は三徳包丁。切れ味の良い鋼で出来た包丁です。しかし、よく切れる一方、錆びやすく、手入れが必要です。特に、ステンレスが主流となった今、鋼の扱いに慣れない方も多いでしょう。手入れがわからない、錆びてしまった、などの問い合わせにも、直接すぐ対応できることが信頼につながっているといいます。確実に積み上げていった信頼、そして、先祖代々受け継いで来た技術が、盛髙鍛冶刃物さんを、日本だけでなく世界での成功に導いているのだとわかりました。
まとめ
現状にとどまらず、挑戦をし続けている盛髙経博さん。そのお話からは、歴史ある鍛冶屋さんを背負っていく覚悟が伺えました。評判が口コミで広がって行ったことや、お客さんとの信頼が今の評判につながっていることから、人とのつながりはやはり大事だと気付かされました。
貴重なお話を、ありがとうございました。
平成29年度3月21日現在
※内容・金額が変わる可能性があります。
お求めの際は、事前に確認をお願いします。
取材日平成29 年度3月13日
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